
ノベルティ、その対策
日本の取引所である東京工業品取引所(TOCOM)で取引されている金価格が1円動くと1000円の利益や損が発生する。
値段が動かない時は大したことがないように思うかも知れないが、1日で動くことはザラにあるo証拠金で金を1枚買って、思惑と反対方向に印円動くと預けた金の半分が減った勘定になる。
すると、ここでも恐怖の「追い証」を求められることになる。
追い証が払えないと翌日には強制的に決済されて取引はジ・エンドだ。
これが株の信用取引と同じレバレッジの怖きである。
投資などと言った生やさしい行為ではなく完全なる投機なのだ。
この投機市場に正しい知識を持たずに参戦すると、人生そのものを投棄しなくてはいけなくなる場合もあるので注意しよう。
ところで、原油や穀物と違い金には資産としてのl面がある。
先物取引は数ヵ月後の決められた期日に現物のやりとりをすることも可能である。
金を資産として現物を購入しようと思えば先物取引を利用する手もある(ただし取引は1キロ単位)。
たとえば、来月金を購入しようと思えばTOCOMの金先物で2番限の金を「買い建て」しておく。
商品取引会社に現物を引き受ける旨を伝えて手続きしておけば来月の終わり頃には1キロバ−の金が受け取れる。
これは不純物が入ってない999・9%(フォア・ナイン)の純金である。
現物を受け取るまでの聞にいくら値段が乱高下しようと関係ない。
「追い証がかかったらどうすんの?」って言われそうだが、現物を引き受ける現金を用意しておけばそれを払えば済むだけだ。
払った証拠金は現物の代金に充当されるから現物の引き受けを前提に取引するのであれば「追い証」なんて気にすることはないのである。
そして、何よりも商品取引会社経由で金を買うメリットは手数料の安さにある。
しかも、ネットを通じて取引すればその恩恵は更に大きくなる。
オレの言うことが信用できないあなたは、一度銀行や貴金属商の手数料と商品取引会社のネット取引の手数料を比べてみたら良い。
かなりの差があることがわかるはずだ。
しかも、現物の質はどちらも同じである。
デパートの締麗なショ−ウインドの中にうやうやしく飾られた金も商品取引会社経由で買う金も何ら変わりない。
また、金の現物を売却する際にも先物市場で売り建てをしておけば、期日に金現物を渡して代金をいただく方法だってある。
これも買い建て同様手数料は格安なのである。
金を資産と考えている人は先物取引のシステムをよく勉強して利用すれば便利なことこの上ないのである。
以上は金取引についてであるが、もちろん他の商品にも応用できる。
ただし、取引単位が決まっているので、原油1キロリットルや大豆1トンの現物なんて引き受けてしまうと保管しておく場所を確保するのも大変なので現実的ではない。
だが、金をはじめ他の白金(プラチナ)や銀が欲しい人は隠し場所にも困らないので先物市場を通して現物のやりとりをすることだって可能なのである。
このように、先物取引はレパレッジの高さから怖い取引である反面こんな便利な1面があることも覚えておこう。
自分はやらなくて客に儲けさせてくれる商品取引会社次に、商品先物取引のイメージを悪くしているベストIはと言えば、商品取引会社の営業姿勢にある。
最近は規制や罰則も厳しくなって以前ほどではないらしいが、片っ端から電話を掛けまくり「金買いませんか」「大豆買いませんか」と誰彼なく勧誘する。
ご他聞にもれず何かを「買え」としか言わない。
この「誰彼なく」が問題で、ちょっと小金がありそうな臭いを嘆ぎつけると何の知識も持たない主婦や老人までもターゲットにして危険極まりない先物取引に誘い込もうと勧誘攻勢をかける。
「今すぐ儲かります」「こんな儲け話に乗らない奴はバカだ」みたいなことを言葉巧みに操って近づいて来る。
そして多くの人が損をする。
客が損をしたところで文句を一言尽えば「自己責任だ」と言う。
自分達の会社に手数料が転がり込んで営業成績が上がれば良いだけなのだ。
最近は少なくなったがオレのところにもこんな勧誘電話があった。
ある商社系の商品取引会社の営業マンで、まずは世界情勢や経済情勢についてひとしきり知識があるところを見せびらかせた後で「ウチは商社系ですから他と比べて情報力が違います」と言う。
または「お客さんを儲けさせる自信がありますからウチで取引しませんか」とも言う。
大抵は黙って聞いてあげるのだが面倒臭くなって来ると反対に「そんなにあなたの見通しが正しくて儲けさせる自信があったら自分でしたらどうか?」と聞くと「手張りは禁止されておりますので」と答えるではないか。
手張りとは、商品取引会社の人間が自分の金で相場を張ることだ。
それを「会社が禁止しているからやらない」と言う。
客を儲けさせる自信があるにも関わらず自分ではやらないと一言うのだ。
「そんなに自信があれば自分ですれば良いのに」と思うのはオレだけだろうか?自信があれば会社なんか辞めて自分でやれば年収分くらいは稼げるはずだが、自分はやらなくて客には儲けさせてくれるロ−マ法王のような慈悲深い営業マンが銀河系の星の数ほどいる。
こんな営業スタイルが不信感を生み商品先物取引自体を胡散臭いものにしてイメージを悪くした挙句、自分達の首を絞める結果になっている。
ある時、新聞広告に商品取引会社が主催する講演会で「ハマコーさん(元国会議員)が来る」と出ていた。
商品取引会社に申し込んだら後で電話勧誘がうるさいことは承知していたが、ハマコーさんに会いたかったので申し込んだ。
それまではハマコーさんは単なる「やんちゃな元国会議員」としか思つてなかったが講演を聴いてファンになった。
他にも参院議員の舛添要一さんの講演も開催してくれたので参加した。
ある日、友人に「舛添さんの講演に行く」と自慢したら「マラソン選手に興味があるのか?」と言われ、それ以来そいつとは政治の話はしなくなった。
劇団四季も真っ青な台詞で金太郎飴ト−ク講演会が済んで数日後、案の定、手にした名簿を元に商品取引会社から勧誘電話があった。
その会社はインターネット取引に対応していない会社で従来からの対商取引しかなく高い手数料をふんだくる会社である。
オレは新人営業マンの説明を上の空で聞いた後「お宅は手数料が高いからやらない」と言うと「ウチは情報力が違いますから」と答える。
「どこかで聞いた台詞ではないか?」と思ったあなたは記憶力が抜群だ。
そうである。
証券会社の営業マン同様、商品取引会社の営業マンも例の「金太郎飴トーク」を繰り返す。
いつも同じト−クを聞くので下手をすればオレのほうが彼らより詳しいかも知れない。
ある日、仕事中に携帯電話が鳴った。
相手は一度会ったことのある新人営業マンのT君でからである。
電話の向こうで1オクターブ高いT君の泣き叫ぶような声が聞こえた。
「たった今、入ったロイターからの入電によりますと、ブラジルのコーヒー豆の生産が減少するとの情報です。
当社の分析によりますと1万7000円まで上がります。
買いましょう」とロイターのニュースを知っているのは世界中で自分一人の知く、劇団四季も真っ青な芝居を繰り広げる。
ロイターとはイギリスの通信会社のことである。
ォレは途中まで「うん、そうか。
そりゃあすごい」と言って聞いていたが段々と面倒臭くなって来たので返事もせずに電話を切った。
以来T君からの電話は来ない。
余りにもバカバカしくもお笑いである。
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